【家賃アップ事例あり】築古物件リフォームのポイント解説！

築年数が古くなると、空室期間が長くなったり家賃を下げる必要がでてきたりなど、賃貸経営を行う上でお悩みも増えるかと思います。
空室解消のためにどのような対策をしたら良いか、オーナー様も難しい問題を抱えているでしょう。

総務省統計局の調査によると、築年数が判明している賃貸用の空室物件の中で、約7割が築20年以上の物件であるというデータが発表されています。
参考：平成30年住宅・土地統計調査特別集計｜総務省統計局

日本の人口減少という社会問題からみても、今後どんどん空室問題が悪化していくことを考えると、築古物件の空室状態は早々に解決しなくてはならない問題と言えます。

しかし、オーナー様のなかでは築年数が古いことで、もう家賃はあげられない、と諦めているオーナー様もいらっしゃるのではないでしょうか？
空室を改善するためにはお金をかけないと難しいのでは、と考えがちですがそんなことはありません。

築年数が古い物件には、その物件の魅力を生み出す空室対策の方法があるのです。
様々な空室対策がある中でも、築古の物件の空室対策には「リフォーム」がおすすめです。

空室対策にリフォームがおすすめの理由

インターネット無料や宅配ボックス設置など、今ではたくさんの空室対策方法が生まれています。
その中でも、築古物件に「リフォーム」をおすすめする理由としては、逆転できる魅力を生み出すことができるからです！

”逆転”とはどういうことかというと、入居希望者が物件探しをする際に重要視するポイントとして、駅からの距離や利便性、治安などが挙げられます。
このような条件は、室内の条件ではなく物件周辺の条件ですので簡単に変えられるものではなく、オーナー様の努力によって改善できるポイントではありません。

しかし、リフォームで「この部屋に住みたい！」と思わせるその部屋にしかない魅力があれば、希望してた駅までの距離より多少離れても、家賃が数千円高くなっても選んでもらいやすく、長く住んでもらえるお部屋になるのです。

そこで注意しなければいけないのは、あまりにも条件が違う物件と張り合ってはいけない、ということです。
いくらリフォームをしたからといって、新築・駅近の物件をライバル物件として同じ家賃帯にしていては入居は決まりません。

ライバル物件は、同じような条件の物件であるということを忘れてはいけません。
ライバル物件と比べたときに、こっちの物件に住みたい！と思わせる魅力を生み出すのです。

築年数が古い物件のリフォームでありがちなこと

とはいっても、魅力的な物件を作り出すのも簡単ではありません。
築古物件のオーナー様がリフォームの際に陥りやすいリフォーム例を紹介します。

過剰にやりすぎてしまう場合

築古の物件だからといって、必ずしもすべてを新しくする必要はありません。
ありがちな例としては、キッチンやユニットバスの設備を最新のものにし、間取りも大きく変更して、オーナー様の希望するリフォームをすべて行ってしまうことがあります。
その場合、リフォームにお金をかけすぎて家賃が見合わなくってしまい、リフォーム費用を回収するのに時間がかかってしまう。
オーナー様の希望を取り入れすぎて、賃貸物件にしては豪華な仕上がりになってしまう、というケースも多いです。
賃貸物件である、ということを念頭に置き、リフォーム後の家賃設定をしっかりと検討したうえでリフォーム費用を決めていきましょう。

リフォーム費用の決め方はこちらの記事で詳しく説明しています！
ぜひご確認ください。
アパートリフォームにいくらかける？予算の決め方

不足している場合

家賃が低く、リフォームに費用をかけられないからといって凡庸なリフォームや原状回復ですませてしまっては空室対策にはなりません。
床だけ貼り直したり、クロスの一部だけ張り替えたりなど、あまりにも部分的なリフォームではちぐはぐなお部屋になってしまいます。
そうすると、ライバル物件との差別化ができず、似たような部屋であればより条件のいいお部屋が選ばれてしまい、空室のままとなってしまいます。

お金をかけすぎず、しかし魅力的なお部屋にする。
矛盾しているようですが、しっかりとポイントを押さえれば、築古物件でも家賃アップも夢ではありません。

築古リノベのポイント

では、どのようなリフォームが効果的なのか、抑えるべきポイントをご紹介します。

ポイント①：室内全体を意識する

よくありがちなリフォームとして、一部分だけ張替え・交換をしてちぐはぐな部屋になってしまう物件も少なくありません。
廊下と居室の床の色が微妙に違っていたり、クロスの種類がよくみたら違っていたり…
床や壁は面積が広いため、意外と気になってしまいます。

そこで、室内全体を意識し、統一感を出すことが重要です。
印象が大きく変わる床や壁はマストで行い、既存のデザインをなるべく残さないことに重点を置き、リフォーム箇所を決めていきましょう。

ポイント②：設備交換は必要な場合のみ

キッチンやユニットバスなどの設備の交換は、金額も大きく難しいポイントです。
しかし、壊れていないのであれば、無理に交換をする必要はありません。

室内が凡庸なままで、キッチンだけが最新のものに交換されている部屋では、あまりリフォーム後のインパクトがなく、せっかくお金をかけてリフォームをしてもその分の費用対効果は得られにくいです。
既存のキッチンを塗装やクリーニングできれいにし、室内を明るく清潔なデザインにリフォームした部屋の方が選ばれやすく、家賃アップも考えられます。

設備交換をしない場合でも、クリーニングをしただけではやはりちぐはぐになってしまいます。
その場合、キッチンは扉の塗装や取っ手の交換、ユニットバスの場合はミラーやペーパーホルダーの交換など、細部にこだわることで交換せずとも生まれ変わらせることができます。

ポイント③：賃貸物件であるということを忘れない

オーナー様からのリフォームの要望を伺っていると、前述した「過剰にやりすぎてしまう場合」に当てはまるケースが多くあります。
自身で住む「実需物件」と、貸すための「賃貸物件」としっかりと区別して考えることでやりすぎを抑え、借りて住む人の目線で考えることで結果的に選ばれやすい部屋となるのです。

また、リフォーム業者も同じように、実需物件を専門としている業者に賃貸物件のリフォームをお願いしてしまうとうまくいかないケースも多いです。
それは、賃貸物件リフォームのノウハウがないため当たり前のことです。
賃貸物件を専門としているリフォーム業者であれば、ノウハウや実績をもとに、その物件にあった空室対策の提案をしてくれるでしょう。